日本三大祭りの一つ、京都・祇園祭の前祭(さきまつり)・山鉾(やまほこ)巡行が17日、京都市中心部であった。雨の中、豪華な装飾で「動く美術館」と呼ばれる23基の山鉾は透明なシートで覆われ、都大路を優雅に進んだ。沿道に「コンチキチン」の祇園囃子(ばやし)が響き、大勢の観光客らが見入った。
午前9時ごろ、今年誕生800年にあたる先頭の長刀(なぎなた)鉾が四条烏丸を出発。稚児(ちご)の同志社小3年の久保堅斗(けんと)さん(8)が鉾から身を乗り出し、しめ縄を太刀で切る「しめ縄切り」をした。
長刀鉾に続く「山一番」は、8年ぶりに占出(うらで)山が担った。四条堺町では、2日のくじ取り式で決まった順番通りに山鉾が進んでいるか確かめる「くじ改め」があった。
四条河原町などの交差点では、車輪の下に青竹を敷き、山鉾の向きを変える「辻回し」が披露された。
祇園祭は八坂神社の例祭で、疫病を鎮めるため平安時代の869年に始まったとされる。24日には後祭(あとまつり)の山鉾巡行があり、11基の山鉾が参加する。